書道2022.07.13【5つの書体】(楷・行・草・隷・篆)の 特徴やおすすめ手本 ポスト シェア はてブ 送る Pocket はじめての書道はどの書体から? どのお手本から? こんにちは。書家のyukoです。 書道を始めたいけど、書体っていくつもあるけど? どの書体からはじめるのがいいの? ずばり、「楷書」からおすすめします。 「楷書」には、書をたしなむうえの筆づかいの基本が学べます。 「楷書」→「行書」→「草書」の順がおすすめです。 いざ、はじめようと思ったけど、 どの手本(法帖ほうじょう)ってたくさんあるけどどれがいいの? 以下のポイントで選んでみました。 1 書体の基本を学べるもの 2 肉筆文字で見やすいもの を選びました。 「楷書」の書体とは 「五円」の字が楷書 一点一画がきちんと書かれた基本的な字形の書体です。 とめ・はね・はらいを一画ずつ丁寧に書いていきます。 楷書の用筆法(筆の用い方や筆遣いなど) ・結構法(点や画の組み合わせ方)を 学ぶことで、他の書体を書くときに役立ちます。 書をされない方でも知っている方が多く馴染みのある書体です。 「楷書」の特徴 それぞれ起筆・送筆・収筆の三つの要素をもっています。 小学生の習字の授業で「一」を書くときに 「トン・スー・トン」と習った覚えがあるかもしれません。 「トン」は起筆、「スー」は送筆、「トン」は収筆 をそれぞれ示しています。 「楷書」最初のおすすめ手本(古典) 【真草千字文】 肉筆のお手本の見やすく、癖が少なく基本的な筆づかいを学べます。 楷書と草書の部分があり、楷書の部分を学んで下さい。 以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。 https://shoyu-net.jp/?pid=120393717 「行書」の書体とは 「幸」の字が行書 一画一画が連続して書かれ(つながって書かれ)、 速く書くのに適した書体です。 現在では、書作品にみられたり、日常的に使われる方もいます。 速く書くことができ、読みやすいです。 書体は楷書に近いものから草書に近いものまで、幅広くあります。 そのため、芸術的な表現をしやすいです。 「行書」の特徴 楷書に比べ、筆づかいの緩急、抑揚などはっきりしています。 一画一画のつながりも明確です。 どのような順路で筆を動かしてかわかりやすいです。 これによって流れも生まれます。 筆者の意図によって一字分のまとまりや 文字と文字のまとまりなど様々に工夫できます。 ・一画一画や字形が曲線的になる ・一画一画が連続することがある ・一画一画を省略することがある ・一画一画が変化することがある ・筆順が変わることがある。 「行書」最初のおすすめ手本(古典) 【集王聖教序】 行書の中でも整った字で癖が少なくとても美しいです。 以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。 https://shoyu-net.jp/?pid=120393704 【蘭亭序】 肉筆で書かれたあるので、見やすく練習しやすいです。 以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。 https://shoyu-net.jp/?pid=120393702 「草書」の書体とは 主に隷書の速書きからの書体です。 行書よりも、更に点画を簡略化したものです。 そのため、草書は行書から派生したものと思われがちですが、 隷書の速書きからできたものです。楷書や行書よりも早く、 漢代(中国の王朝)に成立しました。 漢代は、公文書や石碑など正式なものには、隷書が使われていました。 日常の筆記に草書が使われていました。しかし、草書の中には、篆書の省略体からできたと思われるものもあります。 「草書」の特徴 「雪月花」の字が草書 草書は速く書け躍動的な書体です。日常生活からは縁遠いですが、 点画を自由に構成できるので、様々な表現ができます。 行書と特徴は似ていますが、草書のほうが大胆に省略したり、点画が変化したりしています。 ・一画一画や字形が曲線的になる ・一画一画が連続することがある ・一画一画を省略することがある ・一画一画が変化することがある ・筆順が変わることがある なお、文字を間違えて書くことがないように注意が必要です。 辞書で調べたり、釈文を確認したり文字を確認しながら書きましょう。 「草書」最初のおすすめ手本(古典) 【真草千字文】 肉筆お手本であり、一文字と一文字が連続していないので見やすいです。以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。 https://shoyu-net.jp/?pid=120393717 「隷書」の書体とは 「壱万円」の字が隷書 隷書は中国の秦の時代に、篆書の複雑な点画を簡略化したものです。 直線を主体とした実用の書体として生まれました。 次の漢の時代には普及、発展して標準書体となり、 八分(はっぷん)と呼ばれる典型的な隷書が誕生しました。 現在では、実用に用いられることはありませんが、 隷書の装飾性を生かして、新聞や書籍の題字、 看板などに用いられています。 「隷書」の特徴 ・横画は水平 ・字形は扁平 ・起筆は逆筆(ぎゃくひつ)と呼ばれる 書こうとする方向と反対へ筆を入れる筆づかいと 蔵鋒(ぞうほう)と呼ばれる穂先を包みこうような筆づかい ・運筆(筆の運び)は穂先が主に線の中心を通る。 ・波勢(はせい)・波磔(はたく)がある。 波のようにうねっている線。 「隷書」最初のおすすめ手本(古典) 【曹全碑】 非常に美しい隷書で、肉筆ではありませんがお手本もはっきりしていて見やすいです。隷書の特徴である、波磔(はたく)が美しく見とれてしまします。以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。 https://shoyu-net.jp/?pid=120393693 「篆書」の書体とは 「日本国旅券」の字が篆書 篆書は、漢字の書体の中で最も古い書体です。 3300年ほど前の甲骨文から、金文、大篆、秦の始皇帝により標準書体として定められた小篆を経て、漢の時代の印篆まで、千数百年の間に姿を変え発達してきました。 (甲骨文→金文→大篆→小篆→印篆) 現在では、印や看板などに見ることができます。 「篆書」の特徴 ・起筆で穂先を包み込む(逆筆・蔵鋒(ぞうほう)) ・穂先は線の中心を通る(中鋒(ちゅうほう)) ・線の太さは一定で、抑揚をつけない。 (歯磨き粉をチューブから出したイメージの線) ・横画は水平、縦画は垂直を保つ ・字形は縦長で、左右対称を原則とする。 「篆書」最初のおすすめ手本(古典) 【泰山刻石】 左右対称で、線の太さに変化がなく、均整のとれた字形です。 以下のURLでどのようなお手本かみることができます。 https://shoyu-net.jp/?pid=120393685 どの書体から?どのお手本から~まとめ ・楷書から学ぼう ・楷書は書道の筆づかいの基本が学べる。 ・手本は、肉筆のもの、印刷が明確なものなど 書体の特徴をとらえているものがおすすめ (参考文献:書道Ⅰ 高校学校芸術用 東京書籍)
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