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【5つの書体】(楷・行・草・隷・篆)の 特徴やおすすめ手本

はじめての書道はどの書体から? どのお手本から?

こんにちは。書家のyukoです。
書道を始めたいけど、書体っていくつもあるけど?
どの書体からはじめるのがいいの?
ずばり、「楷書」からおすすめします。
「楷書」には、書をたしなむうえの筆づかいの基本が学べます。
「楷書」→「行書」→「草書」の順がおすすめです。

いざ、はじめようと思ったけど、
どの手本(法帖ほうじょう)ってたくさんあるけどどれがいいの?
以下のポイントで選んでみました。
1 書体の基本を学べるもの
2 肉筆文字で見やすいもの を選びました。

「楷書」の書体とは

「五円」の字が楷書

一点一画がきちんと書かれた基本的な字形の書体です。
とめ・はね・はらいを一画ずつ丁寧に書いていきます。
楷書の用筆法(筆の用い方や筆遣いなど)
・結構法(点や画の組み合わせ方)
学ぶことで、他の書体を書くときに役立ちます。
書をされない方でも知っている方が多く馴染みのある書体です。

「楷書」の特徴

それぞれ起筆・送筆・収筆の三つの要素をもっています。
小学生の習字の授業で「一」を書くときに
「トン・スー・トン」と習った覚えがあるかもしれません。
「トン」は起筆、「スー」は送筆、「トン」は収筆
をそれぞれ示しています。

「楷書」最初のおすすめ手本(古典)

【真草千字文】
肉筆のお手本の見やすく、癖が少なく基本的な筆づかいを学べます。
楷書と草書の部分があり、楷書の部分を学んで下さい。
以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。
https://shoyu-net.jp/?pid=120393717

「行書」の書体とは

「幸」の字が行書

一画一画が連続して書かれ(つながって書かれ)、
速く書くのに適した書体です。
現在では、書作品にみられたり、日常的に使われる方もいます。
速く書くことができ、読みやすいです。
書体は楷書に近いものから草書に近いものまで、幅広くあります。
そのため、芸術的な表現をしやすいです。

「行書」の特徴

楷書に比べ、筆づかいの緩急、抑揚などはっきしています。
一画一画のつながりも明確です。
どのような順路で筆を動かしてかわかりやすいです。
これによって流れも生まれます。
筆者の意図によって一字分のまとまりや
文字と文字のまとまりなど様々に工夫できます。
・一画一画や字形が曲線的になる
・一画一画が連続することがある
・一画一画を省略することがある
・一画一画が変化することがある
筆順が変わることがある。

「行書」最初のおすすめ手本(古典)

【集王聖教序】
行書の中でも整った字で癖が少なくとても美しいです。
以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。
https://shoyu-net.jp/?pid=120393704
【蘭亭序】
肉筆で書かれたあるので、見やすく練習しやすいです。
以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。
https://shoyu-net.jp/?pid=120393702

「草書」の書体とは

主に隷書の速書きからの書体です。
行書よりも、更に点画を簡略化したものです。
そのため、草書は行書から派生したものと思われがちですが、
隷書の速書きからできたものです。楷書や行書よりも早く、
漢代(中国の王朝)に成立しました。
漢代は、公文書や石碑など正式なものには、隷書が使われていました。
日常の筆記に草書が使われていました。しかし、草書の中には、篆書の省略体からできたと思われるものもあります。

「草書」の特徴

「雪月花」の字が草書

草書は速く書け躍動的な書体です。日常生活からは縁遠いですが、
点画を自由に構成できるので、様々な表現ができます。
行書と特徴は似ていますが、草書のほうが大胆に省略したり、点画が変化したりしています。
・一画一画や字形が曲線的になる
・一画一画が連続することがある
・一画一画を省略することがある
・一画一画が変化することがある
筆順が変わることがある
なお、文字を間違えて書くことがないように注意が必要です。
辞書で調べたり、釈文を確認したり文字を確認しながら書きましょう。

「草書」最初のおすすめ手本(古典)

【真草千字文】
肉筆お手本であり、一文字と一文字が連続していないので見やすいです。以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。
https://shoyu-net.jp/?pid=120393717

「隷書」の書体とは

「壱万円」の字が隷書

隷書は中国の秦の時代に、篆書の複雑な点画を簡略化したものです。
直線を主体とした実用の書体として生まれました。
次の漢の時代には普及、発展して標準書体となり、
八分(はっぷん)と呼ばれる典型的な隷書が誕生しました。
現在では、実用に用いられることはありませんが、
隷書の装飾性を生かして、新聞や書籍の題字、
看板などに用いられています。

「隷書」の特徴

横画は水平
字形は扁平
起筆は逆筆(ぎゃくひつ)と呼ばれる
書こうとする方向と反対へ筆を入れる筆づかいと
蔵鋒(ぞうほう)と呼ばれる穂先を包みこうような筆づかい
・運筆(筆の運び)は穂先が主に線の中心を通る。
波勢(はせい)・波磔(はたく)がある。
 波のようにうねっている線。

「隷書」最初のおすすめ手本(古典)

【曹全碑】
非常に美しい隷書で、肉筆ではありませんがお手本もはっきりしていて見やすいです。隷書の特徴である、波磔(はたく)が美しく見とれてしまします。以下のURLでどのようなお手本か見ることができます。
https://shoyu-net.jp/?pid=120393693

「篆書」の書体とは

「日本国旅券」の字が篆書

篆書は、漢字の書体の中で最も古い書体です。
3300年ほど前の甲骨文から、金文、大篆、秦の始皇帝により標準書体として定められた小篆を経て、漢の時代の印篆まで、千数百年の間に姿を変え発達してきました。
(甲骨文→金文→大篆→小篆→印篆)
現在では、印や看板などに見ることができます。

「篆書」の特徴

・起筆で穂先を包み込む(逆筆・蔵鋒(ぞうほう))
・穂先は線の中心を通る(中鋒(ちゅうほう))
線の太さは一定で、抑揚をつけない。
(歯磨き粉をチューブから出したイメージの線)
横画は水平縦画は垂直を保つ
字形は縦長で、左右対称を原則とする。

「篆書」最初のおすすめ手本(古典)

【泰山刻石】
左右対称で、線の太さに変化がなく、均整のとれた字形です。
以下のURLでどのようなお手本かみることができます。
https://shoyu-net.jp/?pid=120393685

どの書体から?どのお手本から~まとめ

・楷書から学ぼう
・楷書は書道の筆づかいの基本が学べる。

・手本は、肉筆のもの、印刷が明確なものなど
 書体の特徴をとらえているものがおすすめ
(参考文献:書道Ⅰ 高校学校芸術用 東京書籍)