【初めての前衛書(作品編)】~はじめに
こんにちは。
書家のyukoです。
今回は、
前衛書の作品(特に展覧会用)を書く時に
私が大切にしていることお伝えします。
書く時に大切にしていることを
念頭において書けば、
偶然だけに頼らず
完成度が一定した
作品を書くことができます。
今回、紹介する作品は、
展覧会で入賞した作品です。
展覧会に出品している方は、
取り入れてみても
よいかもしれません。
ただ、
作品を書く時のポイントは、
前衛書家さんによって、
かなり違ってきます。
ある作家さんによっては、
良いとされることも、
他の作家さんによっては、
好ましくないこともあります。
ここが、前衛書はわからないと
言われる所以かもしれません。
なので、私の作品を見て、
好ましいと思う部分だけを
まねをしてみて下さい。
「前衛書とは何か?」を解説した記事もあります。
合わせてお読みいただくと、
作品が製作しやすくなります。
https://syodo-art.com/%e3%80%90%e5%88%9d%e3%82%81%e3%81%a6%e3%81%ae%e5%89%8d%e8%a1%9b%e6%9b%b8%e3%80%91%ef%bd%9e%e3%81%af%e3%81%98%e3%82%81%e3%81%a6%e3%81%ae%e4%ba%ba%e3%81%a7%e3%82%82%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%8b%e5%89%8d/
【初めての前衛書(作品編)】~余白を活かす
余白を意識した構成にする
余白が美しくなる構成で考えます。
白と黒のコントラストが効果的に出ると、
作品がダイナミックになります。
①赤〇で囲まれている線
(写真参照)を入れたことで
青〇で囲まれている
余白が生まれます。
②疎密を作ります。(写真参照)
赤〇が墨量が多く
密になっている所、
青〇が墨量が少なく
疎になっている所です。
疎密を作ると、コントラストが生まれ
余白がより美しく際立ちます。
【初めての前衛書(作品編)】~遠近法を出す
紙面に遠距離・中距離・近距離を作ります
【墨量】(写真参照)
多量→近距離(赤〇)
中間→中距離(青〇)
少量→遠距離(緑〇)
墨が多いと前面に出て、
少ないと後面にでます。
中間があることにより、
前面と後面のつながりが円滑になり
作品が自然に見えます。
【初めての前衛書(作品編)】~浮遊性を持たせる
上方の造形に重みを持たせ、浮遊性を持たせる
(写真参照)
上方に墨量が多く(赤〇)
下方に墨量が少なく(青〇)すると、
造形が浮いているように見えます。
そうすると、動きが出て、
作品がダイナミックに見えます。
【初めての前衛書(作品編)】~造形に動きをつける
造形に方向性を持たせる
(写真参照)
上方の造形は真ん中あたりで、
下方は左側のほうに向いていて、
動きを持たせています。
【初めての前衛書(作品編)】~多様な線を入れる
ゆっくりの線や鋭い線などを入れる
(写真参照)
①は速度の速い鋭い線
②はゆっくりした墨がしたたり落ちた線
など様々な線が入れることにより、
単調な作品にならず、
変化をつけることができます。
【初めての前衛書(作品編)】~「知」と「情」と両方入れる
構成(知)と勢い(情)を考えて書く
(写真参照)
青い〇が構成(知)で
作品がまとまるように、
考えて書きました。
赤い〇が偶然にできた、
墨の飛沫です。
この勢い(情)があるので、
作品が生き生きしてきます。
【初めての前衛書(作品編)】~まとめ
・余白を出す、遠近感を意識する、浮遊性を持たせる、造形に動きをつける、多様な線を入れる、「知」と「情」と両方入れる
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